GTM【非インタラクションヒット】の意味と設定方法を詳しく解説

GTM(Google Tag Manager)を利用する方であれば目にする機会のある、「非インタラクションヒット」。

内容を正しく理解していないまま設定を進めてしまうと、Googleアナリティクス上のサイトの直帰率が異常な数値となってしまった、なんてことも…

是非この記事で、イベントトラッキングと直帰カウントの関係を理解して、「非インタラクションヒット」の役割と設定方法を学んでください。

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イベントの計測(イベントトラッキング)

非インタラクションヒットを理解する上で、事前に必要となる知識が、「イベントトラッキング」に関してです。

イベントトラッキングとは、例えば、電話発信ボタンのクリックや、WEB予約サイトやショッピングサイトなどの外部サイトへのクリック、ファイルのダウンロードボタンのクリックなど、自ドメイン内でのページ遷移を伴わないユーザー行動を計測するための機能です。

ページ遷移を伴わないため、デフォルトのGoogleアナリティクスの設定では、上記のようなユーザー行動を集計することは出来ません。

これを解決するために、イベントをトラッキングする機能が存在します。イベントトラッキングはGoogleアナリティクスだけで設定することも可能ですが、より設定を簡略化することを目的に広く使われているのが、Googleタグマネージャーです。

Googleタグマネージャーを利用していない方で、これから実装を検討されている方は、当サイトの記事「Google タグマネージャーの使い方ガイド【これからの導入を考えている方向け】」をご参照ください。

非インタラクションヒットとは

ここからが本題の【非インタラクションヒット】に関しての説明になります。

まず、インタラクションヒットとは、「直帰率に関係するイベント」のことです。ここに「非」がつくので、非インタラクションヒットは、直帰率に関係しないイベントヒットということになります。

例えば、ウェブページが熟読具合の指標を測るために、スクロール深度のイベントをトラッキングするとします。計測ポイントまでウェブページをスクロールする度にイベントが発生するようになるのですが、このイベントを直帰率に関係するイベントと定義すると、どうなるでしょうか?

本来なら直帰としてカウントされる、

①対象のウェブページでランディング→②最後までページを閲覧(スクロール)→③離脱

ユーザーがこの①~③の行動を取ったとしても、直帰としてはカウントされません。それは、スクロール量を計測するというイベントが発生(ヒット)しているからです。

しかし、上記①~③のユーザー行動は、単純に直帰(対象ページに入ってそのまま離脱した)としてカウントされるべきです。

このような、直帰率に関係させたくないイベントに対しては、非インタラクションヒットが有効となるようにしておかないと、不正確なデータ集計や、誤った分析に繋がってしまいます。

このスクロール計測の例であれば、少しスクロールするだけでイベントが発生するので、イベント設置前の本来なら50%前後であった対象ウェブページの直帰率が、イベント設置後には、わずか数%という直帰率で計上されてしまいます。このような異常値であるデータを元に、アクセス解析なんてできないですよね。

直帰のカウントとイベントトラッキングの関係

Googleアナリティクスで表示される「直帰」とは、他のページに遷移せずに流入したページでそのまま離脱する場合にカウントされます。

しかし、イベントトラッキングが発生した場合には、そのセッションを直帰としてカウントしません。

例えば、 電話発信ボタンのクリックのイベントをトラッキングしているとします。この場合、実際にはユーザーは直帰をしていても、電話発信という価値のある行動(イベント)が発生した際は、そのセッションは直帰として計上されないということです。

もし、このようなイベントトラッキングが発生した場合でも、直帰はそのまま直帰としてカウントしたいということであれば、Googleタグマネージャーで、非インタラクションヒット(直帰率に関係しないイベントヒット)を「真(True)」に設定する必要があります。

※デフォルトのまま設定では、非インタラクションヒットは「偽(False)」となります

非インタラクションヒットの「真(True)/偽(False)」

タグマネージャーでイベントトラッキングを設定する際、デフォルトのまま設定では、非インタラクションヒットは「偽(False)」となります。

非インタラクションヒットは、「真(True)」か「偽(False)」かを選ぶことが出来ます。

この「真(True) or 偽(False)」の意味ですが、「正解 or 誤り」と直訳して解釈すると少し頭が混乱することになるので、「真(True)=有効」「偽(False)=無効」と覚えておくといいと思います。

おさらいになりますが、非インタラクションヒットとは、「直帰率に関係しないイベントヒット」のことです。

そのため、非インタラクションヒット を「真(True)」に設定すると、非インタラクションヒットの機能が有効になり、直帰率に関係しないイベントヒットになります。

逆に、非インタラクションヒットを「偽(False)」に設定すると、非インタラクションヒットの機能が無効になり、直帰率に関係するイベントヒットになります。

もっと簡単に言うと、

直帰率に影響させたくないイベントは、非インタラクションヒット を「真(True)」に設定する

・直帰率に影響させるイベントは、非インタラクションヒット を「偽(False)」に設定する

と覚えてください。

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非インタラクションヒットの設定方法

非インタラクションヒットの設定は、Googleタグマネージャで「タグ」を発行する時に行います。

タグの種類に「ユニバーサルアナリティクス」を選択して、トラッキング タイプで「イベント」を選ぶと、非インタラクションヒットの設定項目が表示されます。

非インタラクションヒットの設定画面

ここで、「真(True)」か「偽(False)」を選ぶことができます。※デフォルトの設定では「偽」となっています

既に発行しているタグでも、イベントトラッキングのタイプであれば、上記画像と同じ場所に非インタラクションヒットの項目があるので、後から「真(True)」または「偽(False)」に変更することできます。

まとめ

如何でしたでしょうか?今回は、Googleタグマネージャーを使ったイベントトラッキングにおける、非インタラクションヒットの概要とその意味、真(True)/偽(False)」の設定について説明させて頂きました。

内容を理解して設定を行い、正しいデータ収集をして、有効なアクセス解析に繋げていきましょう。

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