2023年6月追記
Yahoo! タグマネージャーがサービス終了となる旨がYahoo! の公式で発表されました。
2023年9月30日に新規登録が停止し、2024年6月30日にサービス提供が終了。それ以降は
Yahoo! タグマネージャーへのアクセスが不可になるとのことです。
https://ads-promo.yahoo.co.jp/support/release/30426827.html
今後は、Google タグマネージャーに一本化するか、他のタグマネジメントシステムの利用を検討する必要があります。
タグの管理作業を簡略化できることから、広く利用されはじめるようになったタグマネージメントサービス。
そのタグマネージメントサービスの代表的な存在として、 無料で利用することができる「Google タグマネージャー」と「Yahoo! タグマネージャー」があります。
しかし、「どちらを利用すればいいの?」「両方使わないといけないの?」といった疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回はそんな疑問をお持ちの方にとって、ご自身のサイト運用状況に適したタグマネージャーの選定に繋がるよう、Google タグマネージャーと Yahoo! タグマネージャー、それぞれの特徴をご紹介します。
タグマネージャーとは何か
タグマネージャーは、ウェブサイトに設置する広告タグやリマーケティングタグ、アナリティクスタグなどの各種タグをマネジメント(管理)するツールです。
従来の直接ウェブサイトのソースコードにタグを記述する方法では、複数のタグを管理する際に煩雑になってしまうため、タグマネージャーを利用して一元管理できるようになることが大きなメリットとなります。
特定のタグを特定のページで動かしたいという指定も、タグマネージャーの管理画面上から設定できるため、直接ソースコードに記述を追記する必要がなく、タグのコントロールが容易になります。
タグマネージメントサービスの代表的なものに、無料で利用することができる「Google タグマネージャー(GTM)」や「Yahoo! タグマネージャー(YTM)」が挙げられます。※YTMの場合は、Yahoo! 広告を利用している場合に限られます
他にも、AD EBiSのソリューションとして「TAGエビス」などの有償のタグマネージメントサービスがあります。
タグマネージャーを使用するメリット・デメリット
基本的に、タグマネージャーのコード自体がウェブサイトに仕込まれている状態であれば、何かタグを追加で設置しないといけない場面が発生しても、ソースコードをいじる必要がありません。そのため、エンジニアや技術者に別途依頼する手間もなく、簡単に設定することが可能となる点がメリットです。
また、従来のソースコードに直接記述する方法では、どのページにどのタグが設置されているのかを一目で確認することが出来ないため、別途でタグ管理シートを用意するなどの対応が必要でした。そのため、特に担当者の変更がある場合など、現状の設定を確認・把握すること自体に工数がかかってしまいますが、タグマネージャーを利用することでその手間を簡略化することに繋がります。
タグマネージャーのデメリットとしては、一度導入すると、他の種類のタグマネージャに後から切り替えることに大変手間がかかることです。また、GTM であれば Google のソリューションサービス(Google 広告や Google Analytics 、Google Optimise など)、YTM であれば Yahoo! のソリューションサービス(Yahoo! 広告 など)といった具合に、そのソリューションと組み合わせたときに親和性が高く、使いやすい仕組みになっていることも注意点として挙げられます。
Yahoo! タグマネージャー (YTM) の特徴
Yahoo! が無償で提供しているタグマネージャーです。国内外200以上の主要なベンダーのタグを網羅していることが特徴です。
※Yahoo! タグマネージャーは、Google Universal Analytics/Google Merchant Center/Google Affiliate Network/Google AdWords など、Google の一部のタグテンプレートに対応しています
管理画面から任意のタグを選択するだけで、ウェブサイトへすぐに反映することができるため設定が容易です。タグのプレビュー機能があります。さらに、リアルタイムでのエラー検出機能により、エラーを検出することができます。
最新のサポートタグ一覧は、 Yahoo! タグマネージャー画面の「サービスタグ管理」タブをクリックし、[サービスタグを追加]ボタンを押すと確認することができます。
参考までに、以下のタグ プラットフォームが2022年1月時点の一覧となります。
サービス提供元 | サービス名 |
ヤフー | Yahoo!広告 検索広告 Yahoo!広告 ディスプレイ広告 Yahoo!広告 Yahoo! DMP Yahoo!タグマネージャー |
アクティブコア | ac cruiser |
フルスピード | Admatrix 3PAS Admatrix DSP |
Adobe | Adobe AdLens Audience Manager Data Integration Library Adobe SiteCatalyst |
オプト | ADPLAN V5 ADPLAN V6 ADPLAN V7 |
AdRoll | |
AOL | Advertising.com AOL Advertising Buysight Buyer Targeting |
アドウェイズ | adna |
AMoAd | |
Appier | Appier AI |
AppNexus | |
Atlas Advertiser Suite Facebook Pixel | |
インティメート・マージャー | Audience Search |
Criteo | |
サイバー・コミュニケーションズ | Beyond X |
サイバーエージェント | ADME Dynalyst |
デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム | AudienceOne® |
データアーティスト | DLPO Act v4 |
デラコン | デラコン・コールトラッキング・ソリューション |
電通 | People Driven DMP |
サイジニア | デクワス.AD |
京セラコミュニケーションシステム | KANADE DSP |
Geolocation Technology | どこどこJP |
DoubleClick for Advertisers DoubleClick for Publishers Google AdWords Google Affilliate Network Google Analytics Google Merchant Center | |
エフ・コード | f-tra EFO |
ファンコミュニケーションズ | A8.net nend |
フリークアウト | |
GeeeN | EFO CUBE |
ジーニー | Geniee DMP |
グラッドキューブ | SiTest |
Glossom | GREE Ads DSP |
GMOアドマーケティング | AkaNe |
GMO NIKKO | GMO MARKETING SUITE GMOプライベートDMP |
Gunosy | Gunosy Ads |
IgnitionOne | IgnitionOne Digital Marketing Suite |
アイモバイル | i-mobile maio |
インタースペース | アクセストレード |
Kauli | Kauliアドネットワーク |
Kenshoo | Kenshoo Enterprise Kenshoo Social |
KPIソリューションズ | ADmeme |
ログリー | Logly DSP logly lift |
Marin Software | |
プラットフォーム・ワン | MarketOne |
アイレップ | Marketia |
dstillery | Dstillery |
MediaMath | MediaMath TerminalOne |
マイクロアド | MicroAd BLADE |
Microsoft | Bing Ads |
ペンシル | スマートチーター |
Kaizen Platform | Kaizen Platform K2 |
Geolocation Technology | らくらくログ解析 |
Rocket Fuel | |
ブレインパッド | Rtoaster |
Supership | ScaleOut DSP |
ショーケース | ナビキャスト・サイト・パーソナライザ |
シルバーエッグ・テクノロジー | HotView |
Sizmek | Sizmek MDX |
スマートニュース | SmartNews Ads |
SMN | Logicad VALIS-CPX |
シナジーマーケティング | Synergy! |
The Trade Desk | Trade Desk |
トランスコスモス | Clickm@iler |
トレジャーデータ株式会社 | Arm Treasure eCDP |
Twitter広告 | |
ユナイテッド | ByPass |
ユーザーローカル | ユーザーローカル無料アクセス解析 |
バリューコマース | バリューコマースアフィリエイトプログラム |
Ve Japan | VePlatform |
Vizury | Vizury WebConvert and MobiConvert |
ビービット | ウェブアンテナ |
Google タグマネージャー (GTM) の特徴
Google が無償で提供しているタグマネージャーです。Google アナリティクスや Google 広告、Google オプティマイズなどの Google のタグに加えて、動作保証している以下のタグ プラットフォームに対応しています。
※Google タグマネージャーは、Yahoo! のタグテンプレートに対応していないため、Yahoo! 関連のタグを設定する場合には、個別にタグを埋め込む必要があります
タグのテンプレートは、Yahoo! タグマネージャーに比べて少ないですが、Google タグマネージャーはカスタマイズ性が高いことが特徴として挙げられます。
Google タグマネージャーは、Yahoo! タグマネージャー同様に、タグのプレビュー機能はありますが、エラーを表示する機能はありません。
https://support.google.com/tagmanager/answer/6106924?hl=ja
タグ テンプレート ウェブサイト AMP AB Tasty 〇 AdAdvisor 〇 Adobe Analytics 〇 Adometry 〇 AdRoll 〇 AT Internet 〇 AWIN 〇 Bizrate Insights 〇 Burt 〇 Chartbeat 〇 ClickTale 〇 Clicky 〇 comScore 〇 〇 Crazy Egg 〇 Conversant 〇 Criteo 〇 カスタム HTML 〇 カスタム画像 〇 〇 Cxense 〇 DistroScale 〇 dstillery 〇 Eulerian Technologies 〇 Floodlight 〇 〇 FoxMetrics 〇 Google 広告 〇 〇 Google アナリティクス 〇 〇 Google 消費者アンケート 〇 Google オプティマイズ 〇 Hotjar 〇 Infinity Tracking 〇 Intent Media 〇 K50 〇 Salesforce DMP(Krux) 〇 LeadLab by wiredminds 〇 〇 〇 LinkPulse 〇 Lytics 〇 Marin 〇 Médiamétrie 〇 Microsoft Bing Ads 〇 Mouseflow 〇 mParticle 〇 Nielsen 〇 Neustar 〇 Nudge 〇 Oktopost 〇 Optimise Media 〇 ÖWA 〇 OwnerListens 〇 Parse.ly 〇 Perfect Audience Pixel 〇 Personali 〇 Piano 〇 Placed Inc. 〇 Pulse Insights 〇 Quantcast 〇 〇 Rawsoft 〇 SaleCycle 〇 SearchForce 〇 Segment 〇 Shareaholic 〇 SimpleReach 〇 Snowplow 〇 Survicate 〇 TradeDoubler 〇 Turn 〇 〇 UpSellIt 〇 Ve Interactive 〇 VisualDNA 〇 Webtrekk 〇 Xtremepush 〇 Yieldify 〇
どちらか一方のタグマネージャーを使うべきか、両方使うべきか
Yahoo! タグマネジャーと Google タグマネージャーに共通していえることは、 それぞれが提供しているソリューションサービスと組み合わせたときに親和性が高いことです。 Yahoo! タグマネージャーは Yahoo! 広告などのサービス、Google タグマネージャーは Google アナリティクスや Google 広告などです。
しかし、運用や管理の手間を省くために、タグマネージャーはどちらかひとつだけを選びたいというケースも当然あるでしょう。その際、Google のソリューションと Yahoo! のソリューションを比較した場合、大抵は、Google のソリューションの方が利用比率が高いかと思います。
ただし、先に説明した Yahoo!タグマネージャーは「国内外200以上の主要なベンダーのタグを網羅している」ことや「リアルタイムでのエラー検出機能がある」ことから、Yahoo!タグマネージャーを活用した方が設定や運用が楽というケースもあります。
逆に、Google タグマネージャーでないと実装が難しいような、Google アナリティクスのクロスドメイントラッキングを利用するなどのケースでは、選択肢は必然的にGoogle タグマネージャー一択となるでしょう。
よって、Google のソリューションも Yahoo! のソリューションも利用しているというケースでは、管理・運用の手間をある程度受け入れることが出来るのであれば、両方を上手く併用することをおすすめします。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は、Yahoo! タグマネージャーと google タグマネージャーのそれぞれの特徴と、用途による選び方をご説明いたしました。
どちらが一方だけを利用した方が管理の手間は少なくなりますが、デメリットもあるので、可能であれば両方を併用するようにしましょう。
また、タグマネージャーは一度導入して運用を始めると、他のタグマネージャーに後から切り替えるのに大変手間がかかります。どちらか一方だけを利用する場合というは、どちらのタグマネージャーがご自身のビジネスにとって適しているか、慎重に判断するようにしましょう。