Passage Ranking (Passage Indexing) とは?理解するべき仕組みと対策を伝授

SEO

Google の新しいランキングシステムの一つとなる「Passage Ranking」。既に米国の英語検索では導入されていますが、本記事執筆時点(2021年11月)で、日本での導入時期はまだ発表されていません。

近い将来、米国以外の国、英語以外の言語に導入されると発表されているため、現時点で分かっているその仕組みや影響度、対策についてウェブマーケティングに携わる人なら理解しておきたい内容をご紹介いたします。

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Passage Ranking (passage indexing) とは

Passage Ranking とは、Googleのランキングシステムのひとつで、2020年10月に内容が告知された新しいシステムです。その内容は、【ページ全体ではなく、ページ内の一部分だけを評価して検索結果を返す仕組み】となります。

もともとは、Passage Indexing(Passage-Based Indexing)という名称で告知されていましたが、「Passage Ranking」が正式名称となりました。

2021年2月に、米国の英語検索で実際に Passage Ranking が導入され展開し始めたことを、Google公式Twitterアカウントが発表しました。

この記事の執筆時点(2021年11月)では、米国の英語検索の導入から9か月程経過した今でも、Passage Rankingの日本語検索での導入はまだ発表されておらず、いつ導入されてもおかしくない状態と言えます。

Passage Ranking 導入の背景

それではなぜGoogleは、 Passage Ranking の仕組みを導入したのか考察してみましょう。

ここからは独自の推察となりますが、ひとつの理由として、増え続けている新しい検索クエリに対応するためと考えられます。

Googleは、「1日に行われる何十億回もの検索のうち、15% のクエリが Google にとって新しい検索である」と発表しています。(参考:Google公式ブログ「Understanding searches better than ever before」

ユーザーは自分の意図した回答が検索結果で表示されることを好み、よりニッチなワードで検索する傾向が強くなってきています。

また、「全世界のオンライン人口の 27% が、モバイルで音声検索を利用している」というデータもあることから、音声検索も徐々に普及しはじめ、口語で検索されることも新しい検索クエリが増えている背景としてあるのでしょう。(参考:Think with Google 2019 RESEARCH REVIEW:「Insights we uncovered in 2019 that will take you into 2020」

Googleの検索エンジンは、従来の【ページ全体を評価して検索結果を返す】仕組みでは、ニッチな検索クエリに対する適切な回答となる検索結果を表示させることに課題がありました。

サイト運用者側も、ページ全体で評価されることから、「1テーマ:1ページ」の原則をベースに、ターゲットとするワードに対して1ページを用意するという考え方でコンテンツマーケティングが展開されてきました。

このコンテンツマーケティングの手法が広がったことにより、インデックス量が膨大に増え過ぎたことも、 Passage Ranking が導入された要因としてあるのかもしれません。

どちらにしてもGoogleにとって、Passage Ranking の【ページ内の一部分だけを評価して検索結果を返す】仕組みの方が、ユーザーのよりニッチな検索ワードに対して適切な回答となる検索結果を表示することが可能となります。

さらに、従来のコンテンツマーケティングの手法の概念を覆すことで、良質なコンテンツを持つインデックスページを作成するようにサイト運用者側に働きかけることも狙いとしてあるのではないかと考えます。

Passage Ranking が検索結果に与える影響度

Google の発表によると、「Passage Rankingが全言語に導入されると検索クエリの7%に影響を与える」とされていますが、現時点ではまだ日本で導入されていないため、実際にどこまで影響を与えるのかは明確になっていません。

2021年2月に、Passage Ranking が米国の英語検索で導入された際にも、海外のランキングチェックツールでは大きな順位変動は見られておらず、現時点では限定的な影響であるものと考えられます。

これは、前章の「Passage Ranking 導入の背景」で述べさせて頂いた独自の推察からすると、Passage Ranking が主に影響するのは検索ボリュームの多いビックワードではなく、よりニッチな検索ワード(ロングテールワード)であるためと考えます。

特に、ユーザーが具体的な悩みや質問形式のクエリで検索したときに、その Passage Ranking の仕組みが効果を発揮するのではないでしょうか。

Passage Ranking を考慮したサイト運用の施策とは

Passage Ranking の仕組みを理解したところで、どのように準備や対策を講じれば良いのか気になるところでしょう。

Google側はサイト運用者に、「内部的変更のため、Webサイトに変更を加える必要はなく、ページや記事、マークアップに変更を加える必要もない」旨の発言をしています。

確かに、日本語検索ではまだ導入されておらず、早急に対策をする必要はないかもしれません。

ただし、独自の見解にはなりますが、 Passage Ranking 導入の背景から考察すると、よりニッチな検索ワード、中でも質問形式のクエリに影響を与えると予測できるため、サイト内にFAQ(よくある質問)コンテンツを用意していない場合は新たに用意する、既に用意してある場合には、よりコンテンツを拡張して充実させておくのに越したことはないでしょう。

また、ページ内のコンテンツ毎に評価を入れるという仕組みから、ボットが構文を読み取りやすいように、コンテンツのブロックごとにマークアップすることも意識して取り組むべきではないかと考えます。

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まとめ

いかがでしたでしょうか?今回は、いずれ日本語検索でも導入される予定のある「Passage Ranking」について、その仕組みと導入される背景、そこから考えられる独自の考察をもとに、必要な対策に関してご説明させて頂きました。

対策を講じる上で大切なことは、「ユーザーの利便性の向上」という視点のみだけではなく、「検索エンジンが評価ポイント」を念頭に置いてサイト運用の戦略を立てることだと思います。

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