皆さん、マップ上位表示対策( MEO )と聞いて思い浮かぶのは、Google マップ( Google ビジネスプロフィール)のことではないでしょうか?日本において、Google は7割以上の検索エンジンのシェア率を維持しているため、当然のことでしょう。
しかし、残りの3割弱は Yahoo! や Bing などの Google 以外の検索エンジンを利用していることも事実ですよね。例えば、今回の記事でご紹介する Yahoo! は、根幹の検索エンジン自体は Google のものを使用しています。
しかし、Yahoo! の検索結果などで差し込まれて表示される地図に関しては、Yahoo! の独自のシステムで動いています。そのため、Yahoo! で店舗・施設情報を登録管理するのは、「Yahoo!プレイス」という Google とは全く別物のツールになっているのです。
今回は、そんなYahoo!プレイスに関して、特徴やメリット、登録方法などを詳しく解説していきます。
Yahoo!プレイスの特徴
Yahoo!プレイスとは、Yahoo!検索や Yahoo!ロコ、Yahoo!マップでお店や施設を検索した際に表示される、施設情報や写真、メニューなどの各種情報を編集することが出来るツールです。
また、2023年に Yahoo! は LINE と合併したため、LINE との連携も特徴に挙げられます。例えば、LINE 公式アカウントを開設して Yahoo!プレイスに登録すると、Yahoo!検索や Yahoo!ロコ、Yahoo!マップの施設情報ページで、LINE 公式アカウント友だち追加ボタンが表示されます。
他にも、投稿機能やアクセス分析などの機能が充実しているのに関わらず、初期費用や月額、成果報酬などの費用は発生しません。
配信面①:Yahoo!検索
Yahoo!検索で、場所に関わる検索クエリで検索すると、検索結果にマップが表示されます。例えば、「渋谷 ラーメン屋」という検索キーワードでは、渋谷のラーメン屋さんのリストがマップとともに表示されます。また、特定の施設名や企業名で検索したときにも、検索結果にマップが表示されることがあります。
どちらの場合も、Yahoo!検索に差し込まれる形で表示されるのは、次に説明する「 Yahoo!ロコ」のデータになります。
配信面②:Yahoo!ロコ
Yahoo!ロコは、Yahoo!が運営する地域情報ポータルサイトで、飲食店や美容室など様々なお店がネット予約できます。グルメやショッピング、レジャー、暮らし、生活など多岐に渡るジャンルに対応しています。
配信面③:Yahoo!マップ
Yahoo!マップは、Yahoo!が運営する地図アプリです。店名や住所、電話番号などで検索することができ、距離や移動時間も分かります。車や徒歩、自転車の移動をナビで案内してくれる他、「混雑レーダー」「 AR モード」「防犯マップ」などの機能もあります。
Google ビジネスプロフィールとの違い
当記事の執筆時点(2024年1月)においては、Google ビジネスプロフィール(旧:Google マイビジネス)と Yahoo!プレイスとを比較した際に、編集できるコンテンツや機能はほぼ変わりません。
店舗・施設の基本情報をはじめ、商品・サービスの登録、写真、お知らせやイベントの投稿、クチコミ、アクセス分析などの機能が備わっています。
ただし、Yahoo!プレイスのクチコミに関しては、Yahoo!マップや Yahoo!ロコのクチコミ以外に、Yahoo!が提携している外部サービスのクチコミも反映されるので、注意が必要です。( Google ビジネスプロフィールは、Google マップのクチコミのみが反映されます)
また、Google ビジネスプロフィールと Yahoo!プレイス、どちらも無料で利用できるツールですが、有料広告と連動させることが出来ます。
その際、Google ビジネスプロフィールであれば Google 広告、Yahoo!プレイスであれば Yahoo!広告がプラットフォームになります。
最後に、【Yahooプレイスの特徴】の章でも触れましたが、Yahoo! は LINE と合併したため、LINE との連携が強化されてきています。
LINE 公式アカウントと連携した、飲食店やサロン向け予約管理ツールなどの関連サービスが展開されており、今後、業種や連携サービスを拡大していくことが予想されます。
Yahoo!プレイスに登録するメリット
Yahoo! は Google の検索エンジンを利用していますが、地図アプリに関してはそれぞれ独自のシステムで動いています。
Yahoo!検索でも検索結果にマップ情報と店舗リストが挿入されますが、表示されるのは Yahoo!ロコの情報です。
つまり、Google でマップ上位表示対策( MEO )をしていても、Yahoo! で対策していることにはなりません。
店舗を構えるローカルビジネスがメインのビジネスモデルで、ターゲットユーザーに Yahoo! の利用ユーザーが一定数いる場合は、Yahoo プレイスを利用しましょう。
Google とは別に、Yahoo! 用の MEO 対策を行うことで、今までリーチできていなかったユーザーにアプローチできる可能性があるためです。
Yahoo!プレイスに登録する上での注意点
Yahoo!プレイスの登録には対象外の業種があります。
性風俗関連(キャバクラやホストクラブなど)の業種は、そもそも登録することが出来ないため注意しましょう。
また、対象施設において飲食物や酒類、医薬品など商品を販売するにあたり免許や許認可が必要なものや、その他 Yahoo! が審査を必要と判断した商品を取り扱っている場合は、免許・許認可証のコピーの提出を求められることがあります。
Yahoo!プレイスの登録の流れ
ここからは、Yahoo!プレイスに実際に登録する際の手順について説明していきます。
① Yahoo!JAPAN ID を用意する
Yahoo!プレイスを管理するためには、Yahoo!JAPANビジネスID が必要になります。そして、Yahoo!JAPANビジネスIDを利用するためには、Yahoo!JAPAN ID との連携が必要になります。
名称が類似しているため少し困惑してしまいますが、大元になるのは Yahoo!JAPAN ID なので、持っていない場合は、Yahoo!JAPAN ID をまずは作成・用意しましょう。
② Yahoo!ロコで既存のビジネス情報を確認する
次に Yahoo!ロコから、対象のビジネスに既に管理者が割り当てられていないかを確認します。
Yahoo!ロコを開き、検索窓に対象のビジネス名を入力して検索します。
対象のビジネスがヒットしない場合はそもそも未登録の状態のため、次のステップに進みます。対象のビジネスがヒットする場合は、詳細ページを開きます。
施設の詳細ページの「詳細情報」コンテンツの下部に、「この施設のオーナーですか?」というテキストリンクが表示されているかどうかを確認します。
「この施設のオーナーですか?」が表示される場合は、他に管理者が存在しない状態のため、次のステップに進みましょう。
表示されない場合は、既に Yahoo!プレイスの管理者が存在する可能性があるため、管理者を探し当てて権限を追加してもらうか、専用フォームから管理者交代の申請をして、ログインできる状態にする必要があります。
③ Yahoo!プレイスにアクセスして新規登録を申請する
Yahoo!プレイスにアクセスし、1店舗のみを掲載する場合は「1店舗申し込み」を、複数店舗の掲載をする場合は「複数店舗申し込み」をクリックします。
※この記事では、「1店舗申し込み」を選択して説明します
まず、会社情報と申し込み者情報を入力します。
会社情報では、法人の場合は、「会社名」「企業形態」「企業形態の位置」「住所」「電話番号」の入力が必須です。個人事業主の場合は、「屋号名」「住所」「電話番号」の入力が必須です。
申し込み者情報では、法人・個人ともに、「管理者名」「メールアドレス」「管理者連絡先」「電話番号」が必須入力で、「審査用電話番号」「担当者コード」が該当する場合の任意入力項目です。
続けて、施設情報を入力します。「店舗・施設名」「カテゴリ(最大4つ選択可能)」「電話番号」「店舗・施設の住所」「住所のピンの位置の確認」が必須項目で、ウェブサイトや各種 SNS の URL が任意入力の項目です。
先ほど、施設情報で入力した電話番号と同じものが既にYahoo!プレイスに登録されていないか、確認が入ります。登録がない場合、「お申し込みを進める」をクリックして次に進みます。
電話番号の認証確認を行います。(店舗の電話番号が未承認のままでも、申し込み自体は続けることができますが、後日、Yahoo! から確認の連絡が入ります)
ここまで入力してきた内容を確認し、「規約への同意」をチェックしたら、「次へ」をクリックします。
申し込み完了画面が表示されたら「確認」をクリックして、申請は完了です。
登録時に申請したメールアドレスに、申し込み完了メールが届きます。その後、審査が完了したら再度メールが届くという流れになっています。
Yahoo!プレイスのメニュー項目
Yahoo!プレイスの登録、及び審査が完了したら、実際に管理画面を使って店舗・施設の詳細情報を更新していきましょう。管理画面に用意されているメニュー項目は以下の通りです。
情報管理
■ 基本情報
店舗・施設名、カテゴリー、電話番号、住所、ウェブサイトや各種 SNS の URL などを編集することが出来ます。
■ 営業時間・休業日
休業日、営業時間の設定を編集することが出来ます。
■ 商品・サービス情報
商品・サービス情報を最大50個まで登録可能することが出来ます。
■ 提供サービス情報
紹介文、キャッチコピー、開業日、利用可能な支払い方法、設備などの情報を編集することが出来ます。
写真管理
店舗・施設の写真を登録することが出来ます。登録する写真は、「カバー」「製品・サービス」「内観」「外観」「その他」のいずれかにカテゴリー分けすることが出来ます。
お知らせ
「お知らせ」「キャンペーン」「営業状況」「その他」から選択して、店舗・施設からのお知らせを投稿することが出来ます。
クチコミ
ユーザーからのクチコミが表示されます。ここからクチコミに返信することが出来ます。
分析
■ 概要
指定期間内の「施設情報の表示数」「アクション数」「ユーザー数」「クチコミ数」などのサマリーデータを確認することが出来ます。
■ 施設情報
指定期間内のユーザーの「性別・年齢」や「曜日別」、「デバイス」などのデータを確認することが出来ます。
■ クチコミ
指定期間内の「クチコミ」のデータを確認することが出来ます。
関連サービス
Yahoo!プレイスと連携できる関連サービスを確認することが出来ます。
全体設定
Yahoo!プレイスに関するヘルプの他、「契約情報」「ツール利用者管理( Yahoo!ビジネスマネージャー)」「登録情報( Yahoo!ビジネスマネージャー)」などの情報を確認、編集することが出来ます。
まとめ
いかかでしたでしょうか? 今回は、Yahoo!プレイスの特徴やメリット、登録作業の流れ、管理画面のメニューについてご紹介しました。
いち早く AI チャットを導入した Bing などに比べると、検索エンジンのシェア率で伸び悩んでいる印象の Yahoo! です。
しかし、直近では LINE と合併してサービス間の連携を進めるなど、日本市場における独自のサービス展開を強化してきているので、今後の巻き返しを期待したいところです。
また、市場における「マップ上位表示対策( MEO )」のサービスと言えば、ほとんどのケースは Google の対策のみとなります。つまり、Yahoo! や Bing 、Apple のマップ対策をしている事業者や業者自体はまだ少ないため、競合がまだ対策してきていない可能性があります。
もし、Google のマップ対策は既に出来ているという店舗・施設オーナーの方は、この記事でご紹介した Yahoo! 以外にも、下記記事でご紹介している Bing や Apple のマップ対策も是非検討していきましょう。
Apple Maps (アップルマップ) の登録方法を解説!申請の流れと注意点とは
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Bing マップ 登録
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