Webサイトの回遊率とは|低下を招く要因と、向上に繋げる改善策

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目標数値が設定されることの多い「回遊率」

回遊率とは、ユーザーがウェブサイトに訪れてから、どのくらいサイト内のウェブページを閲覧したかを示す指標で、「1ユーザーあたりの PV(ページビュー)数」です。

従来の UA(ユニバーサルアナリティクス)時代は、1セッション(訪問)に対する PV 数で計算するのが主流でしたが、Google Analytics 4 に切り替わってから、ユーザー単位で計算する流れが主流となっています。

回遊率が低いウェブサイトの場合は、ユーザーは1、2ページだけ閲覧して離脱している状態です。

数ページの閲覧で、探していた情報が見つかって満足しているケースもあるため、「回遊率が低い=ユーザー満足度が低い」と一概には断定できません。

逆に、回遊率が高いウェブサイトの場合は、サイト内の複数ページをユーザーが閲覧している状態で、興味・関心度が高いと言えます。

探している情報がサイト内でなかなか見つからないから回遊しているような場合も考えられるため、全てのケースで、「回遊率が高い=ユーザー満足度が高い」とは断定できません。

しかし、基本的には回遊率が高いほど、ユーザーとコンテンツとの接触回数が多くなるため、目標数値が設定されることの多い指標の一つとなります。

回遊率の計算式

前章にて、回遊率は「1ユーザーあたりの PV(ページビュー)数」であるとお伝えしました。

回遊率の計算式は、以下の通りです。

ページビュー数 ÷ ユーザー数 = 回遊率

例えば、筆者が運用を支援させて頂いている店舗さまの中に、月間の回遊率が 5.08 のお客さまがいらっしゃいます。

月間の回遊率 5.08は、月間のページビュー数 19,597 PV を、月間のユーザー数 3,861 で割った数字となります。

この回遊率 5.08 が良い数値かどうかというのは、ウェブサイトの作りなどによって議論が必要になります。

なぜならこの店舗さまの例では、受付をウェブ予約のみとしており、ウェブサイト内には予約システムが導入されているため、予約を完了するまでのステップに複数ページのページ遷移が必須になるためです。

つまりこのケースでは、必然的にページビュー数が多くなる傾向があるため、単純に数値だけを見て他社のウェブサイトの回遊率と比較しても、優劣をつけることは出来ません。

回遊率の確認方法( Google Analytics 4 )

次に、一般的に広く活用されているアクセス解析ツール、「 Google Analytics 4 」での回遊率の確認方法を説明します。

いくつか回遊率を確認する方法はありますが、デフォルトで用意されているレポートから最も簡単に確認できる方法をご紹介します。

Google Analytics にログインしたら、左側の「レポート」メニューをクリックし、表示される項目の中から、「ライフサイクル」→「エンゲージメント」→「ページとスクリーン」を選択していき、表示される指標の中にある「ユーザーあたりのビュー」が、回遊率になります。

回遊率の類似指標

回遊率と混同しやすい指標として、「直帰率」と「離脱率」が存在するため、それぞれご紹介します。

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直帰率

従来の UA(ユニバーサルアナリティクス)時代での「直帰率」とは、ページに訪れたユーザーがそのページを見てから、他のどのページにも遷移せずにウェブサイトを離れた割合を示す指標でした。

未だに直帰率といえば、この定義と認識している方も多いと思います。しかし、Google Analytics 4 においてはその定義が変更されているため、注意が必要です。

Google Analytics 4 における直帰率とは、「エンゲージメントのなかったセッションの割合」です。つまり、「ページビュー」をベースにしていた従来の直帰率から、「エンゲージメント」をベースにした直帰率に変更されているのです。

直帰率の計算式は、以下の通りです。

100 ー エンゲージメント率 = 直帰率

Google Analytics 4 における直帰率や、エンゲージメントの定義に関しては、下記記事にて詳しく解説していますので、是非ご参照ください。

GA4 で復活した「直帰率」の捉え方|従来との定義の違いに注意しよう

https://strategy-code.com/marketing-colum/ga/ga4-bounce-rate/

離脱率

離脱率とは、特定のページがユーザーにとって最後のセッションになった割合を示す指標です。

直帰率とは異なり、離脱率はユーザーがウェブサイトからを離れる際に、どのページから離れるかを示します。

離脱率の計算式は、以下の通りです。

離脱数 ÷ PV数 × 100 = 離脱率

フォーム送信完了時に表示されるサンクスページなどは、離脱率は自然と高くなる傾向にあります。

一方で、トップページや製品紹介ページなどで離脱率が高い場合には、優先的に改善点がないか見直す必要があると言えます。

回遊率の低下を招く要因と、回遊率向上に繋げる施策案

回遊率の低下を招きがちな代表的な要因として、「探していた情報と違った」という側面と、「サイトが使いづらい、読みづらい」という側面が挙げられます。

探していた情報と違った場合

「探していた情報と違った」という場合、実際に対象のページに流入してくる検索ワードを調査し、そのユーザーが求めている想定ニーズを洗い出します。

洗い出した想定ニーズと、コンテンツで提供している情報が乖離しているようであれば、想定ニーズを満たすコンテンツを対象ページに追加するか、新たにページを用意してあげましょう。

サイトが使いづらい、読みづらい場合

「サイトが使いづらい、読みづらい」という場合、表示速度が遅かったり、誤字脱字が多い、行間が狭く改行が少ない、専門用語が多い、文字が小さい、他ページへの導線が分かりづらい(少ない)、過度に広告を表示している、などが挙げられます。

どれも基本的なことではありますが、運用者は毎日のように当たり前に自社サイトを閲覧しているため、思いのほか気付かないことが多いのです。

ヒートマップツールを導入するなどで、どのポイントでユーザーがストレスを感じているのか推測するのも有効な手段です。

以下の記事で、無料で利用できるヒートマップツール「 Microsoft Clarity 」について紹介しています。気になる方は、導入を検討してみてください。

Clarity の使い方|ヒートマップの機能と導入手順を解説

https://strategy-code.com/marketing-colum/ab-testing/how-to-use-clarity/

まとめ

いかがでしたでしょうか? 今回は、アクセス解析で耳にする機会の多い「回遊率」について、その定義や計算式、回遊率の低下を招く要因と、向上に繋げる改善施策を解説しました。

全てのケースで、「回遊率が高い=ユーザー満足度が高い」とは断定できませんが、基本的には回遊率が高いほど、ユーザーとコンテンツとの接触回数が多くなるため、目標数値が設定されることの多い指標の一つです。

回遊率が向上することで、コンバージョンの増加や検索順位の向上なども期待することが出来ます。昨今では、チャットボットなどのウェブ接客ツールを活用して、回遊率のみならず、ユーザー体験を高める施策もよく見るようになってきました。

分析と効果検証を継続的に行って、必要な改善施策を反映していきましょう。

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