Bingのリスティング広告|その特徴やメリットと出稿までの流れ

検索連動型リスティング広告のプラットフォームと言えば、まず最初に来るのが Google 、次に Yahoo! というのが、これまでの日本国内における広告主の選択です。

これは、日本国内のユーザーの検索エンジンのシェア率(利用率)に比例するのと、広告プラットフォームの機能や広告の費用対効果が影響します。

しかしここにきて、対話型 AI をいち早く搭載した Microsoft の「 Bing 」が、次世代型の検索エンジンとして昨今、非常に注目を集めています。

今回は、そんな可能性を秘めた検索エンジン「 Bing 」への、リスティング広告の出稿・運用に関して解説いたします。

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Microsoft が運営する検索エンジン「Bing」

Bing と言えば、Microsoft のパソコンで最初からインストールされているブラウザ「 Edge 」の既定の検索エンジンというイメージですよね。

使いやすさを求めて、後から Chrome や Firefox などのブラウザをインストールし、規定の検索エンジンを Google や Yahoo! に変更するといった PC ユーザーも多いのではないでしょうか?

( iphone は safari ブラウザで初期設定の検索エンジンは Google 、Android は chrome ブラウザで初期設定の検索エンジンは Google、またはスマホメーカー提供のブラウザ)

そんな Bing ですが、もし他のブラウザや検索エンジンを利用しなくても十分と思えるほどユーザーの利便性が向上するとしたら、シェア率は必然的に伸びていくことになると想像されます。

そしてもしユーザーのシェア率が伸びたら、アプローチできるユーザーの母数も増えるため、広告配信先のプラットフォームとして見過ごせない存在となることは想像に難しくないと思います。

日本国内における検索エンジンのシェア率

当記事の執筆時点である2023年6月と、2年前の2021年6月の、日本国内における検索エンジンのシェア率の変化を調査してみました。
※検索エンジンやブラウザのシェア率を確認できる、statcounter GlobalStats のデータ参照

↓ 2023年6月の日本国内の検索エンジンシェア率

↓ 2021年6月の日本国内の検索エンジンシェア率

画像では小さくて見えずらいかと思いますので、抽出されたデータを下記に記載します。

検索エンジン2021年6月のシェア率2023年6月のシェア率増減
Google76.01%76.20%+0.19%
Yahoo!20.44%13.58%-6.86%
Bing3.14%9.05%+5.91%

Google はこの2年間でほぼシェア率の変動は見られませんが、Yahoo! のシェア率が低下しており、取って代わるように Bing のシェア率が伸びていることが分かります。

Bing だけの数字を見ると、約3倍のシェア率の伸びが見られており、もしこのペースを維持するとすれば、数年以内に検索エンジンシェア2位の Yahoo! と入れ替わるということになります。

Bing にリスティング広告を出稿する方法

当記事の執筆時点(2023年6月)では、Bing にリスティング広告を出稿するのには、以下の2種類の方法があります。

Microsoft 広告から配信する

Bing の運営元である Microsoft が提供しているプラットフォーム、Microsoft 広告から Bing のリスティング広告を配信することができます。

Bing 広告はアカウント開設がとても簡単なのが、特徴の一つとして挙げられます。

Bing は広告プラットフォームの後発であり、これから Bing へ広告出稿を行う広告主の大多数は、既に Google 広告を出稿していると想像できますよね?

恐らくそこを狙って Microsoft 広告では、既に Google 広告や Facebook 広告を利用している場合には、Google 広告・Facebook 広告の設定をそのまま Microsoft 広告にインポートすることができ、初期設定の手間を大幅に省くことが出来るのです。

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Yahoo! 広告から配信する

Yahoo! 広告は、Bing をはじめとする検索エンジン数社とパートナー契約を行っているため、Bing の検索結果にも広告配信を行うことができます。

ただし、Bing の検索結果のみ絞って広告を配信することはできません。

また、Bing ( Microsoft ) が、自身の広告プラットフォームを用意してきたことから、Yahoo! 広告側から出稿するメリットが希薄になっていくと考えられます。

筆者は今後、Yahoo! 広告側から出稿される Bing の広告枠に関しては、配信面などが制限される可能性があると推測しています。

Bing 広告の特徴

クリック単価

Microsoft 広告は Google 広告と比べて競合性が低いため、クリック単価は低くなる傾向にあります。出稿ワードにも左右されるため、あくまでも現時点での筆者の所感ですが、Google 広告では 1,500 円程度のクリック単価が、Microsoft 広告では180 円程度と、1/10 に近い印象です。

検索ボリューム

検索ボリュームは、検索広告のインプレッション (表示回数) に影響します。Bing のシェア率は伸びてきてはいるものの、Google と比較するとまだまだ低いため、検索ボリュームは 1/10 以上少なくなります。

筆者のテスト運用時には、同じ条件で出稿して、Google 広告で 2,000 程度の表示回数、Bing 広告では 50 程度というぐらい、両者には開きがありました。
※Google 広告では検索パートナーを除外した検索広告。Microsoft 広告では、オーディエンス広告の配信を除外し、検索広告のみに配信した時の結果です

ターゲティング

Microsoft 広告のターゲティングは、Google 広告とほぼ同じようなターゲティングを設定することが出来ます。唯一の特徴は Google 広告にはない、「企業、業界、業種」によるターゲティングが出来ることです。

キーワードのマッチタイプ

Microsoft 広告のキーワードのマッチタイプの設定は、Google 広告同様に、「部分一致」「フレーズ一致」「完全一致」の3種類を設定することが出来ます。

Microsoft 広告から Bing へ出稿する手順

この記事では、今後の成長が期待される Microsoft 広告にフォーカスをあてていくため、Yahoo! 広告からの Bing への出稿方法は割愛いたします。

ここからは、新規で Microsoft 広告で Bing にリスティング広告を出稿する手順と方法について、詳しく説明していきます。

まずは、Microsoft 広告にアクセスし、「Sign up」をクリックします。

Microsoft アカウントでログインします。(Microsoft アカウントがない場合は、アカウントを発行してください)

「スマートモード」を使用する場合は、広告の目標を選択して「次へ」をクリックします。
この記事では Google 広告から設定をインポートする流れを説明するため、「エキスパートモード」を使用します。「エキスパートモードに切り替える」をクリックします。

「 Google からインポート」をクリックします。

「 Google でサインイン」をクリックします。

対象の Google アカウントを選択します。

インポートする Google 広告アカウントを選択します。

「次へ」をクリックします。(当記事執筆時点では、通貨に日本円 (JPY) を選択することはできないため、管理画面の通貨表示は米ドル (USD) を選択します)

ビジネス情報を入力して、「アカウントを作成」をクリックします。

支払い情報を入力して、「Microsoft 広告の使用条件 に同意します。」のチェックボックスにチェックを入れて、「完了」をクリックします。

これで Microsoft 広告のアカウント発行は完了です。

まとめ

いかがでしたでしょうか? 今回は、Bing に広告を出稿するメリットやその特徴と、今後の成長が期待される Microsoft 広告から Bing にリスティング広告を出稿する流れについて解説しました。

いち早く対話型 AI を搭載した Bing が、この先どのように機能を拡充して利用ユーザーを広げて Google に対抗していくのかは、注目していくべき点です。

今はまだ Bing の市場規模は小さいですが、利用ユーザーのシェアが伸びてくると、必然的に Bing に広告出稿する競合も増えてくるはずです。早めに Bing 広告に出稿しておくのも一つの戦略ですよね。

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