Microsoft広告とは|その特徴や機能を分かりやすく解説

いち早く検索エンジンに対話型 AI を取り入れた「 Bing 」。この Bing の普及に伴って、徐々に耳にする機会の増えてきた印象なのが「 Microsoft 広告」です。

Microsoft 広告の歴史は新しく、日本では2022年5月からサービス提供が開始されています。

ネット広告のプラットフォームとして歴史のある Google や Yahoo! に比べて、Microsoft は明らかに後発になるのにも関わらず、直近の AI 機能の搭載など、資本を投下して検索エンジンのシェアを奪いにいく本気度が感じられますよね。

今回は、今後見過ごせない広告プラットフォームに成長してくるであろう「 Microsoft 広告」の機能や特徴、広告の種類に関して詳しく説明していきます。

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Microsoft 広告の配信先

当記事の執筆時点(2023年6月)で、Microsoft 広告は、Microsoft の検索エンジンである Bing をはじめ、AOL や Yahoo! などの検索結果に、検索連動型リスティング広告を配信することが出来ます。

また、Microsoft が運営する MSN や Outlook.com、Skype などのサイトやアプリケーションにも配信可能です。

他にも、広告主の選択や設定によって、Microsoft と提携しているパートナーサイトやアプリケーションへも配信することができるため、Bing のシェア率で考えるとアプローチできる市場は少ないと思いがちですが、意外と幅広いユーザーにリーチすることが出来ます。

検索エンジンのシェア率に関しては、下記記事をご参照ください。

日本国内における検索エンジンのシェア率

https://strategy-code.com/marketing-colum/ads/microsoft/bing-listing-ads/#outline_1__1_1

Microsoft 広告の特徴

Microsoft 広告の代名詞と言える広告配信面は、Microsoft が運営する検索エンジンである「 Bing 」です。

Bing は、Microsoft Windows の PC に最初からインストールされているブラウザ、「 Edge 」の既定の検索エンジンです。

※ iphone は safari ブラウザで初期設定の検索エンジンは Google 、Android は chrome ブラウザで初期設定の検索エンジンは Google、またはスマホメーカー提供のブラウザです

Microsoft といえば、スマートフォンデバイスよりも Windows PC デバイスのイメージが強いですよね?実際に Microsoft のプロダクトはビジネスでの利用が多いため、広告のターゲットが B to B の場合に、特に効果的だと思います。

しかし、使いやすさを求めて、既定の検索エンジンを Google Chrome や Firefox などに変更するユーザーは少なからずいます(筆者も当記事の執筆時点ではまだ、その中の一人です)。

先述の Bing 検索の AI 機能搭載などで、もし他のブラウザや検索エンジンを利用しなくても十分と思えるほどユーザーの利便性が向上するとしたら、Bing のユーザーシェア率は必然的に伸びていき、Microsoft 広告も比例して伸びていくことでしょう。

また、Microsoft 広告はアカウント開設がとても簡単なのも特徴です。広告プラットフォームの後発のため、ターゲットになる事業主の多くは既に Google 広告や Facebook 広告を利用していると想像できますよね?

そのため、Microsoft 広告は、Google 広告・Facebook 広告の設定をそのままインポートすることができる仕様になっています。

インポートの設定の流れは下記記事をご参照ください。

Microsoft 広告から Bing へ出稿する手順

https://strategy-code.com/marketing-colum/ads/microsoft/bing-listing-ads/#outline_1__4

キャンペーンの目的と広告フォーマットの種類

Microsoft 広告には、以下のキャンペーンの目標が用意されており、選択する目標ごとに利用できる広告フォーマットが異なります。

キャンペーンの目的

目的利用用途利用できる広告フォーマット
Web サイトの訪問Web サイトへのトラフィックを増やしたい場合検索広告 / オーディエンス広告
自分の事業所在地にアクセスするより多くの人に店舗、オフィス、またはイベントに訪れてほしい場合検索広告 / オーディエンス広告
個人用 Web サイトでのコンバージョンWeb サイト上で実行されたアクションをカウントして投資収益率を測定したい場合検索広告 / オーディエンス広告
会社での電話1 つ以上の会社の電話番号に新しい通話をつなげたい場合検索広告 / オーディエンス広告
アプリのインストールモバイル アプリのインストールを促進したい場合アプリインストール広告
スマートアシスト キャンペーン初心者向けで、Microsoft 広告に提案やキャンペーンの管理を行ってほしい場合検索広告 / オーディエンス広告
カタログから商品を販売する商品の購入を増やしたい場合スマートショッピング / 通常のショッピング キャンペーン
アプリとゲームを宣伝するMicrosoft Store でアプリやゲームを宣伝したい場合アプリインストール広告
動画視聴回数ビデオ広告の表示を促進し、ブランド メッセージを伝えるビデオ クリエイティブがある場合オーディエンス広告
広告の表示回数広告が表示される回数を増やして、ブランドの認知度と知名度を高めたい場合オーディエンス広告
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広告フォーマット

検索広告

Mivrosoft の検索ネットワークには、Bing(及び、Bing が所有する MSN など)と、AOL(及び、AOLが所有するサイト)、Yahoo!(及び、Yahoo! が所有するサイト)が含まれます。

また、Microsoft(及び、Yahoo! ) のシンジケート検索パートナー(Microsoft 広告の広告スペースを利用するウェブサイトやアプリケーション)が所有するサードパーティのサイトも含まれます。

Bing・AOL・Yahoo! が所有するサイトにのみ出稿する、シンジケート検索パートナーサイトにのみ出稿する、といった検索ネットワーク内での配信面の絞り込みも可能です。

尚、当記事の執筆時点(2023年6月)では、Bing の広告枠は Yahoo! 広告からも出稿することが可能(逆も然り)ですが、将来的にはそれぞれ配信面が制限されていくことが予想されます。

オーディエンス広告

Microsfot のオーディエンス広告は、Microsoft のオーディエンスネットワークに表示される、テキストと画像が組み合わされたディスプレイ広告です。

MSN や Outlook.com 、Microsoft Edge などの主要サイトや、パートナーサイトがオーディエンスネットワークの対象になります。

先述の検索広告は、デフォルトの設定のままだと、オーディエンス広告枠にも配信されるため注意が必要です。(検索連動のリスティング広告のみに出稿していたと思っていたのに、ディスプレイ広告枠にも出稿されていたという現象が生じます。)

検索広告でオーディエンス広告への配信をさせたくない場合には、オーディエンス広告で配信されるサイトを除外設定する必要があります。

ショッピング広告

Microsoft のショッピング広告は、Bing の検索結果に表示される商品広告枠です。商品の画像、価格、販売元が表示され、通常の検索広告枠よりも上部に掲載されます。

Google のショッピング広告で既に Google Merchant Center( Googleが提供している商品データを管理するシステム)を利用している場合は、Microsoft 広告と連携して設定をインポートすることが出来るため、大幅に初期設定工数を削減することが出来ます。

アプリインストール広告

Microsoft のアプリインストール広告は、オーディエンス広告枠やアプリストアの広告枠はなく、配信面は Bing の検索結果のみとなります。

アプリインストール広告は、通常の検索広告の広告表示オプションにある「アプリリンク表示オプション」と似ています。

アプリインストール広告とアプリリンク表示オプションの違いに関しては、下記をご参照ください。

【参考】アプリのインストール広告: アプリのダウンロードを促進する – アプリインストール広告とアプリリンク表示オプションの比較|Microsoft 公式

Microsoft 広告の機能

成長が期待される Microsoft 広告ですが、Google 広告で提供されている機能と大きく変わらず、広告プラットフォームとして基本的な機能が実装されています。

以下に、当記事の執筆時点(2023年6月)での、Google 広告との機能比較を記載します。

キーワードのマッチタイプ

キーワードのマッチタイプは、Google 広告と同様です。

「部分一致」「フレーズ一致」「完全一致」の3種類から選択して設定することが出来ます。

入札戦略

入札戦略の種類も、Google 広告と同様の以下の項目が用意されています。

入札戦略キャンペーンタイプ
強化されたクリック単価(拡張クリック単価)検索 / ショッピング キャンペーン 利用時
最大クリック数(クリック数の最大化)検索 / ショッピング キャンペーン 利用時
コンバージョンの最大化(コンバージョン数の最大化)検索 キャンペーン時 利用時
ターゲットの CPA(目標コンバージョン単価)検索 キャンペーン時 利用時
ターゲットの ROAS(目標広告費用対効果)検索 / ショッピング キャンペーン 利用時
目標インプレッションシェアによる入札
(目標インプレッションシェア)
検索 キャンペーン時 利用時
手動 CPC / CPM / CPVオーディエンス キャンペーン 利用時

広告表示オプション

Microsoft 広告では、以下の広告表示オプションが用意されています。

広告表示オプション概要
アクション表示オプションテキスト広告の行動喚起ボタン
アプリリンク表示オプションユーザーのデバイスとオペレーティングシステムを自動的に検出し、
ユーザーをアプリストアに直接誘導
電話番号表示オプション電話番号と発信リンクボタン
コールアウト表示オプション強調表示する追加のテキストのスニペット
フィルターリンク表示オプション各オファリングへの一意のリンクを持つ製品または機能の
複数のカテゴリを一覧表示
チラシ表示オプション選択した製品やプロモーションの画像 (チラシ) を表示
画像表示オプション広告にビジュアル要素(画像)を追加
住所表示オプションビジネスの住所を表示
価格表示オプション製品またはサービスの価格を表示
プロモーション表示オプション特別な行事向けのお得情報を強調表示
レビュー表示オプションレビューを表示
サイトリンク表示オプション広告内の追加のリンクで、
ユーザーをサイト上の特定のページに誘導
構造化スニペット表示オプション商品とサービスの特定の機能に関するコンテキストを表示
動画表示オプション広告にビジュアル要素(動画)を追加

各表示オプションの詳細は、下記をご参照ください。

【参考】広告表示オプションについて|Microsoft 公式

ターゲティング

Microsoft 広告のターゲティングの特徴として、LinkedIn プロフィール情報に基づいて、「会社名」「業界」「職種」をターゲティングする機能があります。

Microsoft 広告では、以下のターゲティングが用意されています。

ターゲティング概要
地域特定の場所にいるユーザーに広告を表示
年齢特定の年齢範囲にいるユーザーに広告を表示
性別特定の性別グループのユーザーに広告を表示
デバイス特定のデバイスを使用しているユーザーに広告を表示
会社名特定の会社で働くユーザーに広告を表示
業界特定の業界で働くユーザーに広告を表示
職種特定の種類の職業のユーザーに広告を表示

オーディエンス

Google 広告同様に、オーディエンスを設定してターゲティングする機能もあります。

Microsoft 広告では、以下のオーディエンスが用意されています。

オーディエンス概要
リマーケティング過去のサイト訪問ユーザーをターゲティングする
動的リマーケティング製品向けのリマーケティング
類似オーディエンス条件の合う広範囲のユーザーをターゲティングする
カスタマーマッチ独自のデータを使用してユーザーをターゲティングする
購買意欲の強いユーザー購入を前向きに検討しているユーザーをターゲティングする
統合されたリスト対象ユーザーを組み合わせて適切なユーザーをターゲティングする

Google 広告 / Facebook 広告からのインポート機能の注意点

Microsoft 広告には、Google 広告・Facebook 広告の設定をインポートする機能が用意されています。初期設定の手間が大幅に削減できる一方で注意点もあるため、ご紹介します。

まず、スケジュールを設定することで、インポート元の広告プラットフォームの設定内容が取り込まれて、Microsoft 広告に反映・更新される点です。

便利な反面、忘れていると意図しない(Microsoft 広告では反映したくなかった)変更が反映されてしまうケースも発生するため、スケジュール機能はオフにしておくことをおすすめします。

もう一つ挙げられるのが、インポート元の広告プラットフォームのキャンペーンタイプに Microsoft 広告が未対応のキャンペーンタイプや設定がある点です。

インポートした後には、反映された設定が意図した通りになっているか、必ず確認するようにしてください。

【参考】Google Ads からインポートできるもの|Microsoft 公式

【参考】Facebook 広告 からインポートできるもの|Microsoft 公式

まとめ

いかがでしたでしょうか? 今回は、今後の成長が期待される Microsoft 広告について、その特徴や広告の種類、機能などについて解説しました。

Microsoft 広告の主要な検索エンジンである Bing は、いち早く対話型 AI を搭載して生まれ変わるなど、最大のユーザーシェア率を誇る Google の牙城を崩そうという本気度が伝わってきます。

この先、Bing がどのように機能を拡充して利用ユーザーを広げていくかは、Microsoft 広告の広告プラットフォームとしての成長度を大きく左右していくはずです。

また、まだ Microsoft 広告への配信を開始していない事業主も多いため、競合が少ない今のうちに配信を開始して、先行利益を見込めるかもしれません。

今後の Microsoft 広告の展開は、非常に注目ですよね!ウェブマーケティングに携わる方は是非、最新情報をキャッチアップしていくように心がけましょう。

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