Google の検索機能は、ユーザーに便利な検索体験を提供するために、これまでさまざまな改良を重ねてきました。その一環として、「サイトリンク検索ボックス」も導入され、Google の検索結果画面で、特定のウェブサイトの内部を簡単に検索できる機能を提供していました。
しかし、2024年11月21日をもって、この「サイトリンク検索ボックス」が廃止されることが発表されました。この記事では、サイトリンク検索ボックスとは何か、そしてなぜその機能が廃止されたのかについて考察していきます。
サイトリンク検索ボックスとは
サイトリンク検索ボックスは、Google 検索の結果ページに表示される機能で、特定のウェブサイトの内部を直接検索できるツールです。検索結果に表示されるリンクの下にボックスが設置され、ユーザーはその中に検索語句を入力することで、サイト内の特定のコンテンツに素早くアクセスできる仕組みです。
▲ Canon のサイトリンク検索ボックス
サイトリンク検索ボックスは、ユーザーが直接目的の情報にたどり着けるようにするため、ユーザビリティ向上のために提供されていました。特に、大規模なウェブサイトや多くのコンテンツを持つウェブサイトでの利用が一般的でした。
この機能が導入された背景には、ユーザーが特定のサイトにアクセスしつつ、追加の検索を行いたいというニーズに応えるためのものです。通常の検索エンジンでの結果を補完する役割を果たし、ユーザー体験の向上を目指していたとされます。
サイトリンク検索ボックスを表示させるためには、構造化データが活用されていました。サイト運営者は、サイト内検索機能を Google に知らせるために「WebSite」構造化データを設定し、これにより検索ボックスが検索結果に表示されるようになるという仕組みでした。
サイトリンク検索ボックスが廃止される理由
Google は、2024年11月21 日をもって「サイトリンク検索ボックス」を検索結果から廃止すると発表しました。
参照:Farewell, Sitelinks Search Box|Google Search Central Blog|Google for Developers
この変更により、検索結果画面でサイト内検索を直接行う手段がなくなることになります。
サイトリンク検索ボックスが導入されて10年以上が経過しましたが、時間の経過とともに、使用率が低下しており、検索結果を簡素化を図ることが廃止を決定した理由としています。
使用率が低下した背景には、Google の検索技術が進化したことによって、より迅速で精度の高い検索結果が得られるようになったためと推測されます。
サイトリンク検索ボックスの廃止が与える影響
サイトリンク検索ボックスの廃止は、全ての言語、及び、国が対象になりますが、ランキング要素への直接的な影響はありません。
また、Google Search Console のリッチリザルトの拡張レポートにある「サイトリンク検索ボックス」も削除されるようです。
▲ Google Search Console の「サイトリンク検索ボックス」拡張レポート
併せて、リッチリザルトテストツールでの、「サイトリンク検索ボックス」のハイライト表示も停止されるようです。
▲ Google Search Console の「リッチリザルトテスト」ツールでの表示例
大規模なサイトでは、サイトリンク検索ボックスの機能がなくなることで、ユーザーが求める情報にアクセスしにくくなることも考えられます。
サイトリンク検索ボックスが廃止された後も、ウェブサイト内に検索機能を用意するなど、関連コンテンツをスムーズに表示するための UI 改善を検討する必要があるでしょう。
また、Google が提供する他のリッチリザルトや、構造化データを積極的に活用することも検討すべきと言えます。
まとめ
Google の検索結果に表示されていた「サイトリンク検索ボックス」の機能は、大規模なサイトでのユーザーの利便性向上を目的としていました。
しかし、検索アルゴリズムの進化に伴い、Google はよりシンプルで効率的な検索結果の提供を目指すため、廃止されることになりました。
廃止後も、内部検索機能の強化やリッチリザルトを活用した SEO 施策など、サイト運営者にとっては改善の余地があることでしょう。
当社 Strategy Code.においても、最新の SEOトレンドを取り入れつつ、ユーザーにとって価値のある情報を提供していきます。