ドメイン自体の変更や、SSL 化対応に伴う https への変更など、ウェブサイトの運営において、URL の変更は時折発生する作業です。
URL の変更を行う際は、Google アナリティクスでのデータにどのような影響を与えるか、事前に理解しておくことが重要です。
URL を変更すると、アクセスデータやトラフィックの追跡に支障をきたす場合があり、適切に分析できなくなる可能性があります。
この記事では、Google アナリティクスを活用して、URL 変更時に注意すべきポイントや設定方法について詳しく解説していきます。

URL変更が必要な場面とは?
URL の変更はウェブサイトの運営において重要な決断です。なぜなら、URL の変更はサイト全体に影響を与えるためです。
ここでは、URL 変更が必要なよくある状況について説明します。各ケースに応じて適切な対応を行うことで、アクセスやデータの損失を防ぐことができます。
リブランディングに伴うドメイン変更・移行
企業や商品、サービスなどのブランドを再構築する「リブランディング」を行う場合、ドメイン変更を伴うことがよく発生します。
例えば、ブランドの名称が変わると、古いブランド名を含むドメインや URL は使いづらくなります。そのため、新しいブランド名を含むドメインに URL を変更して、ユーザーに一貫したブランド体験を提供することが一般的です。
このドメインを移行する際には、SEO に影響を与えないよう、適切なリダイレクト設定を行う必要があります。
サイト構造の再設計によるURL変更
ウェブサイトの設計やユーザビリティ向上のため、サイト構造を大きく変更する場合も、URL 変更を伴うことがあります。
例えば、ユーザーが情報を見つけやすくするために、カテゴリやページの階層構造を見直す際には、URL も新しい構造に沿って変更されることがよく発生します。
SEO対策の一環としてのURL変更
SEO の観点から URL を変更することもあります。例えば、長くて複雑な URL(スラッグ) を使用していると、ユーザーに避けられる傾向があるため、短くシンプルで分かりやすい URL(スラッグ)に変更するようなケースです。
その際、キーワードを含む URL にすることで、検索エンジンの評価にもプラスの影響を与えることがあります。
GoogleアナリティクスでのURL変更手順
URL を変更する際、トラッキングの精度を維持し、データの欠損を防ぐために、Google アナリティクスで適切な設定変更を行うことが必要です。
※スラッグのみを変更する場合は、アナリティクスの設定変更は必要ありません
プロパティ設定の確認・修正
まず、Google アナリティクスのプロパティ設定を確認し、必要に応じて修正します。管理画面にアクセスし、左下の「管理」メニューから、「プロパティの詳細」を選択します。

既存のプロパティ名を確認し、ドメイン名を記載していてドメイン変更を伴うケースなどの場合は、プロパティ名を修正します。

データストリーム設定の確認・修正
次に、データストリームの設定を確認し、修正します。管理画面にアクセスし、左下の「管理」メニューから、「データストリーム」を選択します。

対象のデータストリームを選択します。

「ストリームの詳細」の横にある鉛筆マークを選択します。

ウェブサイトの URL を変更後の内容に上書きします。例えば、SSL化の場合は、「http://」から「https://」に選択を変更します。必要に応じて、ストリーム名も変更し、「ストリームの更新」を選択して完了です。

コンバージョン(キーイベント)の確認・修正
最後に、必要に応じてコンバージョン(キーイベント)の設定も確認しましょう。例えば、フォーム送信の完了ページへの到達(閲覧)をコンバージョン(キーイベント)に設定していて、そのページの URL が変わる場合などは、修正が必要です。
コンバージョン(キーイベント)の設定方法に関しては、以下の記事で詳細を説明していますので、ぜひご参照ください。
GA4のコンバージョン (キーイベント) 設定|イベントさえ設定できれば後は簡単
https://strategy-code.com/marketing-colum/ga/ga4-conversion-settings/
URL変更時の注意点
ここでは、URL変更に伴う、主な注意点について解説します。
リダイレクト設定によるトラッキングとSEOの維持
URL 変更の際には、旧 URL から新 URL へのリダイレクトを適切に設定することが非常に重要です。リダイレクトが正しく行われないと、旧 URL にアクセスしたユーザーをトラッキングできないため、データが分断されてしまいます。
また、URL 変更は SEO にも大きな影響を与える可能性があります。旧 URL から新 URL へのリダイレクトがうまく機能していないと、検索エンジンの評価が引き継がれず、検索結果での順位が下がったり、そもそもインデックスされなくなることがあるためです。
リダイレクトの方法で最も一般的なのは、「301リダイレクト」です。これにより、旧 URL にアクセスしたユーザーが自動的に新しい URL に誘導され、SEO の評価も引き継がれます。301リダイレクトの設定方法に関しては、以下の記事で詳細を説明していますので、ぜひご参照ください。
301転送 (301リダイレクト) の SEO における役割と重要性について
https://strategy-code.com/marketing-colum/seo/301-moved-permanently/
Search Console の修正とサイトマップの送信
ドメイン変更や、SSL 化による https:// への移行など、URL の変更を伴う際には、アナリティクスの変更だけでなく、Search Console に登録しているプロパティ URL も修正する必要があります。
併せて、新しい URL に更新されたサイトマップを用意し、変更後の URL が Google に正しく認識されるように Search Console からサイトマップを通知しましょう。Search Console からサイトマップを送信する方法に関しては、以下の記事で説明していますので、ぜひご参照ください。
Google サーチコンソールでサイトマップを登録・送信する方法
https://strategy-code.com/marketing-colum/search-console/send-sitemap/
トラッキングコードの確認と修正
サイトリニューアルを伴う URL 変更の際には、トラッキングコードが正しく機能しているか確認し、必要に応じて修正することが重要です。トラッキングコードが正しく設定されていない場合、Google アナリティクスでのデータ収集が行われなくなります。
Google アナリティクスで使用されるトラッキングコードは、基本的には各ページのヘッダーに設置されているため、変更した新しい URL でも引き続きデータを正確に収集できるよう、コードが正しいページに適用されているかを確認しましょう。
まとめ
この記事では、URL 変更時の具体的な問題点や、設定方法について解説しました。URL の変更は、サイト運営において避けられない場面もありますが、Google アナリティクスの設定を適切に行えば、データ損失やトラッキングのミスを最小限に抑えることができます。
また、リダイレクトの設定やトラッキングコードの確認を徹底することで、アクセスデータを正しく引き継ぎ、SEO やトラフィックにも悪影響を与えずに対応できます。
URL変更が完了し、すべての設定が整ったら、定期的にデータを確認し、必要に応じて改善策を講じることで、サイト運営をスムーズに続けることが重要です。しっかりとした準備と対応を行い、正確なデータ解析を行いましょう。